365日多趣味な日常

フィルムカメラや本、アニメなどを中心とした神田の日常

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アニメ・ポプテピピックがボーボボと全く違ういくつかの理由

      2018/07/02

ボーボボはギャグ漫画・ギャグアニメ。
その枠の中で限りなく他の追随を許さないまでにぶっ飛んでる。

僕個人としてもボーボは最高に意味が分からなくて大好きである。

本当に意味が分からないほどぶっ飛んでる

というのがボーボボの感想だと思う。

ではポプテピピックはどうなのだろう。
ポプテピピックは僕はギャグアニメなんかでは決してないと思う。

もちろん一般的な枠組みはギャグアニメなんだろうが、その枠にはまっていないのである。

世間一般ではボーボボと並び称されるのを見たが、僕はあの二つは全く違うものだと思っている。

その理由を僕なりに紐解いていこうと思う。

 

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ボブネミミッミという逸材

ボブネミミッミという、ポプテピピックと似ているようで違う不思議なコーナーがアニメの中に存在した。

これが毎回どこかに必ず入るのだが、ボブネミミッミを初めて見た時の衝撃は凄まじかった。

意味が分からなかったのである。

友人が残した【油もので胃もたれしてたところに原油を飲まされた感じ】という感想は言い得て妙だと思ったものだ。

ギャグアニメとしてボブネミミッミを見たら特に何も感じなかっただろう。

「不思議なアニメだったな、でも別に見なくてもいいや」

それくらいの感想で収まるはずだ。

しかし、ポプテピピックの中に入れることでとても輝く。

ポプテピピックのキャラクターと声優と作画とすべてを何十時間も煮詰めて溶かして、かすかに残ったキャラクターデザインだけで息をしているボブネミミッミ。

ポプテピピックという素材を使ってやりたいことのすべてが認められている。
というイメージだ。

恐ろしいことに、コーナーとして存在しているボブネミミッミを抱擁するだけの魅力をポプテは備えているのだ。

声優が毎回変わる暴挙

声優が毎回変わる、長く続くアニメなんて絶対にありえないし

1クールのアニメでもありえない話だろう。

しかし、ポプテピピックはやってのけた。

たった1話の放送でこれだけの衝撃である。

これによって何が変わるかといえば、ポプテピピックのキャラクター・ポプ子とピピ美のキャラクターが決まらないことである。

そう、アニメ化には決まって付きまとう声優問題が発生しないのである。

イメージが固定されないからこそ、なんでもできるのである。

ボブネミミッミも表現できる。実写も混ざっても問題ない。

違和感なんて初めからあって当たり前として作られたからだ。

とても濃密でありながら何もない魅力・ボーボボと違う唯一にして最大の点

基本的にアニメにはストーリーがある。キャラクターにバックグラウンドがある。会話の中で立ち位置がある。

ポプテピピックにはそれが無い。まったくない。

いっそ清々しいまでに何も無いのだ。

それだけではない。僕らがアニメを見て感じる、声優は誰で、こんな演技をして、こんな表現でアニメの中で動く。

それすらポプテピピックにはないのだ。

ポプ子とピピ美には決まった声優がいない。

大御所から今を時めく人気声優まで幅広い人間が声を当てている。

ポプ子とピピ美のキャラクターを想像できる人間なんて、作者以外いないのである。

2人の容姿以外決まった設定やキャラクター性が存在しない

いくらでも利用できるそのイメージだけで、自由にアニメができる。

ギャグアニメではなく、アニメーションという枠のなかで様々な人間がポプテピピックという題材で
好きなようにアニメを作っている。

アニメの表現を模索して楽しんでいるのだと思う。

AC部に渡せば、ボブネミミッミが出来上がるわけだ。

フランス人の彼に作らせれば、起承転結のある4コマアニメが出来上がる。

サンドアートでもアニメーションができる。

アニメ制作人だけではない

声優だって、同じ映像に2組の声優が声を当てる。
アドリブや演技の仕方など、本人たちの力量で自由に表現を許されてそれを比べて楽しむことができる。

こんなにアニメの可能性を様々な形で模索したアニメがあっただろうか。

もう一度言う、ポプテピピックはボーボボとは全く違うのだ。

ギャグアニメではないのだ。

NHK教育に数分間のショートアニメがあるが、それに近い気がする。

僕はラーメンズというお笑い芸人の舞台が大好きだ。

ラーメンズの小林健太郎の言葉に大好きな言葉がある。

面白い物を提供したい、それは腹を抱えて笑ったりするだけが面白いではないんです。
人はジェットコースターに乗って爽快感を味わっても
お化け屋敷に入って恐怖を感じても
最後は「面白かった、楽しかった」っていうんです。
僕はそういった形のない面白いを提供したいんです。

まるで彼らラーメンズの舞台を見ているかのような気分にさえなる。

僕は毎週楽しみでしかたがなかった。

次はどんな表現を見せてくれるのだろうかと。

この先にもきっと現れないだろう、ポプテピピックは新しいアニメの形である。

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