「私達には花がある」テロにおびえる息子に父の一言
2015/11/23
2015年11月22日、テレビのニュースでこの事を知った。
先日起きたフランス、パリでのテロ事件。
そこに花を手向ける父と息子。
フランスのケーブルテレビが子供にマイクを向けたインタビュー動画が世界中で話題になったらしい。
記者は膝をついて男の子にマイクを向けて、今回のテロで何が起きたか分かる?と尋ねていた。
僕が思い出せるだけ書き起こしてみる。
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少年:悪い人たちは優しくないから。 みんな、引っ越さなくちゃいけなくなる。
父親:大丈夫だよ。引っ越しなんかしなくていい。フランスが私たちの家だよ。
少年:でも、悪いやつはどうするの、お父さん?
父親:悪いやつは色んな所にいる。どこにでも悪い人はいるんだよ。
少年:悪い人たちは銃を持っている。優しくないから、悪い人たちは、だから・・・・・・。
少年は不安そうな顔で父親を見ていた。少しだけ間があった後父親は優しく子供に語りかけた。
父親:確かに悪い人たちは銃を持ってる。でも、私たちには花がある。
けれど子供の不安はぬぐえない。
少年:でも花なんてあっても仕方ないよ。 優しくない人たちは・・・・・・・
父親:見て。みんながここに、花を置いてるね。
父親は献花を指差す。
少年:うん。
父親:これはテロと戦ってるんだ。花が私たちをテロから守ってくれるんだ。
少年:これが守るの?
父親:そうとも。
少年:ろうそくも?
父親:これは、亡くなった人たちを、私たちが忘れないようにするためのものだよ。
少年:花とろうそくが、守ってくれるの?
父親:そうだよ。
子供の顔には少しだけ笑顔が戻っていた。
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この映像を見た時に鳥肌が止まらなかった。
僕は子供に聞かれたときにこんな言葉をかけてあげられるのだろうか。
暴力におびえて道を見失ってる子供に自分の言葉で導けるのだろうか・・・・・・って。
暴力から不安におびえて逃げるんじゃなく、武力をもって復讐をするのでもなく
僕たちは僕たちのやり方で、強い意志で立ち向かう。って
まだまだ若造の僕には言えない言葉だし、純粋な子供の前なら
どこからか借りてきた言葉じゃすぐに見透かされてしまうだろう。
周りがやってるから、習慣だから・・・・・・
悲しみや強い意志を持っていても、献花の意味をきちんと自分の中で持っていなければ
父親のような言葉は出てこないだろう。
なんでだろうね、みんなそうしてるから、昔からの風習なんだよ
それで納得する子供なんていないと思う。
献花には亡くなった人を弔うためにお供えする。
その意味が自分の中でしっかりと確立している事。
そう思えば、世の中の習慣の中で行為の本当の意味、由来を知らないものも多いなって思った。
すべての物には意味があって、心がこもらなくっちゃなんの意味もないんだな。
そう、感じた日でした。